本の話・22回目

今月の課題図書はこちら。 記憶する体 作者:伊藤 亜紗 発売日: 2019/09/18 メディア: 単行本 ここしばらく身体的なところに興味を持っている。 それは「読書をする身体」「読書をするための身体」というところからの関心の持ち方で、結局のところ本を読むに…

本の話・21回目

今月の課題図書はこちら。 どこにでもあるどこかになる前に。〜富山見聞逡巡記〜 作者:藤井 聡子 発売日: 2019/10/16 メディア: 単行本 読むにつれて紙質がどんどん変わっていくのがおもしろい本だ。 富山にはだいぶ前にちょっとだけ訪れたことがある。魚が…

本の話・20回目

11月の課題図書はこちら。 PUBLIC HACK: 私的に自由にまちを使う 作者:笹尾 和宏 発売日: 2019/09/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) この本はタイトルもいいけど、サブタイトルもいい。 「チェアリング」とか「流しのこたつ」とか、そういう活動に名前が…

本の話・19回目

10月の課題図書はこちら。 彼岸の図書館: ぼくたちの「移住」のかたち 作者:真兵, 青木,海青子, 青木 発売日: 2019/10/03 メディア: 単行本 この本のことは出版情報で知ったので、ルチャ・リブロのこともオムライスラヂオのことも知らなかった。機関誌『ルッ…

本の話・18回目

9月分の課題図書はこちら。 迷うことについて 作者:レベッカ ソルニット 発売日: 2019/04/24 メディア: 単行本 レベッカ・ソルニットの本は(翻訳であっても)文章の質感がとてもいい。 紙面から文字を追うことが心地よい。 迷った=失われたという言葉には…

本の話・17回目

8月分の課題図書はこれ。 キリン解剖記 (ナツメ社サイエンス) 作者: 郡司芽久 出版社/メーカー: ナツメ社 発売日: 2019/07/08 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 読み終えてみて研究にはまっていく過程とかその度ごとの悩みとか…

本の話・16回目

今更ながら7月分の更新を。 夢見る帝国図書館 作者: 中島京子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/05/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 図書館の歴史は人類の知識の歴史と歩みを同じくする。 記録を残そうとしている施設は過去へと思考…

本の話・15回目

しばらく更新をさぼってしまった。 今更ながら6月の課題図書はこちらでした。 方法序説 (岩波文庫) 作者: デカルト,Ren´e Descartes,谷川多佳子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1997/07/16 メディア: 文庫 購入: 31人 クリック: 344回 この商品を含むブ…

本の話・14回目

5月の課題図書は島田潤一郎さんの『90年代の若者たち』。 島田潤一郎さんは夏葉社を創業されたときの初期の頃からどこかでお名前を聞いていて、その後もずっと夏葉社の本には注目して書い求め続けてて、『90年代の若者たち』は出版情報が出始めたときから買…

本の話・13回目

4月の課題図書。 発売からずっと話題になっている本。 本を贈る 作者: 笠井瑠美子,川人寧幸,久禮亮太,島田潤一郎,橋本亮二,藤原隆充,三田修平,牟田都子,矢萩多聞,若松英輔 出版社/メーカー: 三輪舎 発売日: 2018/09/11 メディア: 単行本 この商品を含むブロ…

本の話・12回目

3月分の課題図書はこれ。 今更書く感想。 エコラリアス 作者: ダニエル・ヘラー=ローゼン,関口涼子 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2018/06/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 相棒がツイートしていたので「次それにしよう」とこちらか…

本の話・11回目

このエントリーは2月分です。 今更だけど2月もなにかと忙しかった。 3月も。 今回の課題図書はこれ。 災害ユートピア――なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) 作者: レベッカ・ソルニット,高月園子 出版社/メ…

本の話・10回目

この記事は1月分です。 「本の話」といいつつ、本の話をしなかった年明け最初のセッション。 単純にお互い予期せぬできごとで課題図書が読めなかったということでした。 でもとりあえず話だけはしておこうということで、ただただとりとめもない話をしたので…

本の話・9回目

なんとなく自分たちの若い頃のことを語りたくなった。 90年代のこと―僕の修業時代 作者: 堀部篤史 出版社/メーカー: 夏葉社 発売日: 2018/11/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 自分の過去を振り返る作業は楽しくもあるし、苦しくもあ…

本の話・8回目

今回の本は相方が勧めてくれた。 本は読めないものだから心配するな〈新装版〉 作者: 管啓次郎 出版社/メーカー: 左右社 発売日: 2011/05/31 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 2人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (5件) を見る 二人とも本に関す…

本の話・7回目

10月も忙しいと言いながら過ぎてしまった。 秋はイベントも多いからうかうかしているととどんどん空気が新しいものに変わっていってしまう。 今回の課題図書はこれ。 断片的なものの社会学 作者: 岸政彦 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2015/05/30 メ…

本の話・6回目

夢のような9月はなんだか忙しかった。 毎年同じことを言っているようだけど、気がつけば10月になってしまった。 迷路のようだ。 今回の課題図書は古典でした。 読書について 他二篇 (岩波文庫) 作者: ショウペンハウエル,Arthur Schopenhauer,斎藤忍随 出版…

本の話・5回目

今回の本はこれ。 読む時間 作者: アンドレ・ケルテス,渡辺滋人 出版社/メーカー: 創元社 発売日: 2013/11/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 出たときから気にはなっていたけど買いそびれてて、相棒に勧めてもらって一緒に読むことに…

本の話・4回目

延期が2回あったけどセッションは毎月続いている。 よかった。 今回の課題図書はこちら。 これからの本屋読本 作者: 内沼晋太郎 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2018/05/30 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 内沼さんの取り組みには長年注…

本を買いすぎている。

人に見られてしまう本棚を持っている。 なので、見られてもいいような本を意識的に並べている。 というかむしろ見てほしい本を並べている。 そこから何かを感じ取ってほしいとも思っているから。 本の並びが雑多だとも言われるけど、そのほうがおもしろいで…

本の話・3回目

今月の課題図書はこれ。 文字と楽園〜精興社書体であじわう現代文学 作者: 正木香子 出版社/メーカー: 本の雑誌社 発売日: 2017/11/09 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (5件) を見る 積読状態だった本だけど、相棒が課題図書に選んで…

本の話・2回目

今回の課題図書はこれ。 モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 作者: 内田洋子 出版社/メーカー: 方丈社 発売日: 2018/04/06 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 読みやすい文章のなかにぐっとくるフレーズが散りば…

踏み台と背伸び

うまい言葉が出てこないなら、誰かの言葉に乗っかってしまえばいいのよ。 こっそり踏み台を持ってきて、いつもはただ見上げるだけだった棚の上に手が届くようになったときみたいに。 踏み台に乗って背伸びして、ようやく指先だけが触れる。 指先で少しだけ触…

本の話をする

誰かと本の話をしたいと思っていた。 できることならば気の合う同世代の人と。 世代の離れた年上の人でもなく、年下の人でもなく、だいたい同じくらいの時間を過ごしてきた人と。 上を見たり下を見たりではなく、すぐ隣のほうを見て、迷いながら向きを変えて…