踏み台と背伸び

うまい言葉が出てこないなら、誰かの言葉に乗っかってしまえばいいのよ。

 

こっそり踏み台を持ってきて、いつもはただ見上げるだけだった棚の上に手が届くようになったときみたいに。

踏み台に乗って背伸びして、ようやく指先だけが触れる。

指先で少しだけ触れるけどしっかり掴めなくて、欲しいものをなんとか床に落とすので精一杯で。

 

新しいものに触れる瞬間は、そんな風にいつもギリギリで指先が届くんだな。